(声優・花江夏樹さん)
※注意:以降、作品の「ネタバレ」を多く含みます。
主人公ツナシを演じてみて
—原作をお読みになってどうでしたか?
「曽田先生の作品は『め組の大吾』をよく覚えています。中学生の頃、テレビドラマも放送されていましたから。今回の『テンプリズム』は、絵柄も物語も、巨匠ならではの迫力がありますよね。深みのある作品というのが第一印象です。こういうバトルシーンがある作品は初めてだったので、出演できることにわくわくしたし、嬉しかったですね」
—主人公ツナシを演じてみた感想は?
「物静かな少年を演じることが多くて、剣で戦う少年はめずらしいんですけど、キャラクターは作りやすかったです。ツナシは最初、王の血を引く自分自身に戸惑っていて、でも周囲の人間に引っ張られるうちに、自分の意思を固めていきますよね。こういった始まり方がわかりやすかったし、感情も出しやすかった」
モーションコミックはまだ二回目
—アニメとモーションコミックでは演じるのに違いはあるのでしょうか?
「モーションコミックは表情をワンカットごとに切り取っているので、その顔がそのまましゃべっているように意識して演じています。止まっている絵なので、拍を合わせる必要はないし、そこはアニメより自由なんじゃないでしょうか。あとはドラマCDと似ているけど、表情がついている分、演じやすいです」
—逆に難しいところはありますか?
「アフレコ中、感情が爆発しているシーンでも、いったん次のコマにいくまで止めなくちゃいけないのが大変でした。ユイと戦うシーンでは、激しいつばぜり合いをしているのに、次にいくまで我慢して、もう一回台詞を言わなくちゃいけないのが難しかったです」
—収録後、公開された『テンプリズム』はご覧になりましたか?
「出演した作品は見るようにしています。自分が演じたキャラクターを確認する反省会みたいな感じです。『テンプリズム』は、観てむずむずしましたね(笑)実は、モーションコミックで演じたのは今回で二回目だったんです。それもあってか、新鮮でちょっと気恥ずかしかった。まだ慣れてないんですね。やっぱりアニメとは違うなぁって」
うまく引き出してもらえたバトルシーン
—収録現場の様子を教えてください
「去年の11月頃に、まとめて収録しました。今回はオーディションなしでいただいた役だったので、少し緊張していたんです。オーディションがある場合は、その時に演じた役作りで本番も臨めるんですけど、なしの場合は当日にディレクションが入ります。それで、自分が考えてきたものと全く別の指導が入ってきたらどうしようって思ってた。だけど実際は、あんまり指導は入りませんでしたね。三時間で一気に撮るというタイトなスケジュールだったからかもしれません」
—ユイ役の細谷佳正さんと共演されていかがでしたか?
「ユイが悪役になってツナシを覚醒させてくれるシーン、あれが一番印象に残っているんですけど、細谷さんがうまく挑発してくれたというか、引き出してくれたので、演じていてすっと役に入り込めましたね」
—他に印象的なシーンはありましたか?
「ツナシがユイを殺した後に、彼の墓に向かって話しかけるシーン。彼の感情がこもっている場面なので演じがいがありました。あとは、そこから二年後の酒場で、ナイフを投げるシーンですね。だいぶ大人になったなと思って。ちょっとふがいなかったのに、頼れる、かっこいいキャラになったなと。そう受け取れたので、そこは意識して演じました」
(花江さんにとって印象的だったシーン)
次回はニキとの共演が楽しみ
—こうしてツナシを一通り演じられて、花江さんと似ている部分ってありますか?
「あんまり、ないんじゃないですか?僕はおとなしいほうなので(笑)でも、自分にない熱血キャラを演じるのは楽しいですよ。僕が『テンプリズム』の世界にいくとしたら、ムラートになりたいかな。頭が切れて、どっちの味方にもつかない、ああいうあやしいポジションに憧れます。同じメガネキャラだし(笑)」
—今後モーションコミックでも二集、三集のストーリーを公開していく予定ですが、気になっているキャラクターはいますか?
「ユイの今後の動きが気になります。あとは、ニキ。初めて見たとき、すごいのが出てきたって思いました。モーションコミックではまだツナシとからんでないので、共演を楽しみにしています」
—本日はどうもありがとうございました。
「テンプリズム」本編の試し読みはこちらから!
花江さんの演じるツナシが大活躍する
1〜3話のモーションコミックは、こちらからご覧いただけます!!
4話以降も、モーションコミック配信サイト ENOSKU STOREにて配信中です!
プロフィール
花江夏樹 (はなえなつき)
声優。1991年生まれ、神奈川県出身。2011年に声優としてデビュー。
おもな主演作品に、『凪のあすから』(先島光役)、『東京喰種』(金木研役)、『アルドノア・ゼロ』(界塚伊奈帆役)、『四月は君の嘘』(有馬公生役)、『断裁分離のクライムエッジ』(灰村切役)などがある。
また『おはスタ』へのレギュラー出演や、ラジオ番組のメインパーソナリティなど幅広く活躍している。
趣味はテニス、デザイン画など。